PONYの缶詰

奈良・京都・大阪・神戸中心に写真を撮ってアホなことを書くブログ

『モロッコ』(1930)-856










ゲイリー・クーパー(トム)











確かにアフリカとはいえすぐ北には、ジブラルダル海峡を挟み、スペイン、ポルトガル、フランス
特に長くフランスの支配下にありアラブとヨーロッパが混じる魅惑の国です。カサブランカ、マラケッシュなど映画にも登場する都市もあります。

でも僕なんかの世代だと「モロッコ」は、カルーセル 麻紀が性転換手術しに言った
「地の果て」どこやねん!そこは と言うイメージ

日本で初めて字幕付きトーキー映画として登場したのは先の『嘆きの天使』でなくこちら
今の映画のスタイルになる元祖として冒頭シーンが素晴らしい

遠くの方からかすかに聞こえてくる外人部隊の鼓笛隊の音が、段々大きくなり
乾いた太鼓の音が近づく

彼らがひとときの安らぎを求めて集まる酒場にマルセイユから片道だけの切符で
モロッコにきた踊り子。それがマレーネ・ディートリッヒ

船長が言う「あれは自殺切符の女だ」と・・ 男も女も行き場をなくした者たちが流れつく場所だと
暗示していますね~

初舞台で外人部隊のひとりゲイリー・クーパーと出会いこんな会話があります

「なぜこんなところに来た」

「女にも外人部隊があるのよ。
 ただし、制服も軍旗もない。
 手柄を立てても勲章はもらえない。
 傷ついても保障もないわ」

この地で真剣に恋におちることを恐れたふたりの関係がせつない
二本の指で「じぁまたな」とポーズをとるクーパーの癖をマネてみせるディートリッヒ

ラスト やがて部隊は砂漠を次の戦地に向け去って行きますクーパーもいる
遠ざかる・・・たまらず追いかけるディートリッヒのヒールが砂漠の熱い砂にころがる

鼓笛隊の音が、段々小さく小さくなり彼らも消えてゆく

『嘆きの天使 (1930)』では破滅してくエミール・ヤニングス(ラート教授)の物語でしたが
これは完全にディートリッヒの魅力爆発でして、名シーン&名セリフがたくさんあり
ナヨナヨしたメロドラマを嫌う人には彼女の毅然としたそれでいて投げやりな生きざまは
爽快でしょうね~ それだけによけいラスト走り出す姿に‘素顔の女’を見て胸があつくなる

マレーネ・ディートリッヒここにあり! 内容も申し分ない名作でした。